Home
History & Outline
Warks
Link
pen・gin倶楽部 メニュー
  うきうき★ツキイチステージF
MOVIE◆ANPO
円頓寺商店街
うきうき★ツキイチステージE
トロンと散歩A
「ボラみみ」10年目の庭 
うきうき★ツキイチステージD
トロンと散歩
うきうき★ツキイチステージC
コンサート バンザーイ
幻の川上貞奴邸
ホームレスの自立の手
戦争と平和の資料館
うきうき★ツキイチステージB
オバサンのつぶやき・・・
編集よもやま話
いつもの街を歩いてみると
NPO聞きかじり
バックナンバー
(有)編集企画室 群
愛知県名古屋市西区名駅二丁目27番6号
名古屋プライムセントラル ナゴノスペース
(〒451-0045)
TEL 052-589-2771
FAX 052-589-2772
花壇と防災でコミュニティづくり
花壇と防災でコミュニティづくり
 総戸数1178の豊成団地には自治会がない。通常、町内会を通じて配られる市のさまざまなお知らせは届かない。他地区に住む学区の役員が配ってくれる「広報なごや」だけが情報を知る唯一の手段だ。区役所もこの空白地帯を何とかしたいとさまざまな試みをしたが、いずれもうまくいかなかったらしい。
 隣接する愛知小学校の児童のうち約30%が豊成団地に住んでいるという規模でありながら、子ども会もなくなった。すぐ目の前の校庭で開かれる子ども会主催の球技大会に、団地の子どもの姿はない。

 何とかコミュニティを形成することはできないか。そうすれば、もっと住みよい環境の団地になるのではないか。キーワードとして浮上してきたのが「公園」だ。
 まずは、隣接する豊成保育園と愛知小学校を公園づくりに巻き込む。
 保育園の横の公園を先生とお母さんたちに考えてもらい、「小さい子が安心して遊べる公園がほしい。」という声を形にした。名前はパンダ公園。
 小学校の総合学習の課題に公園づくりを取り上げてもらい、子どもたちが遊具を考え、実際に公園づくりに参加した。児童会でつけた公園の名前は、「ぼうけん公園」と「やすらぎ公園」。
 豊成団地の公園は、今や「他の保育園がわざわざ遊びに来るほど有名なんですよ。(園長先生)」という人気だ。
 
 
   
 一方で、住民同士をつなぐ試みも始まる。「団地の住民」と一くくりに呼ばれ、一人ひとりの顔が全く見えない状態から、どう個人を浮かび上がらせていくか。それからが、わたしたちの仕事だ。まずは全住民に実施したアンケートの回答を分析し、防災教室などの開催と団地の秋まつりを行うことを目標に設定した。
 防災教室第1回目は中川消防署の方にお話をしていただく「東海大地震・備えあれば憂いなし」。区役所からは乾パンを支給してもらう。どちらも、常日頃から豊成団地のことを心配してくれていたのだ。
 たくさんの参加者があったのだが、当日は集会場の鍵を借りるのを忘れ、「あわや中止か!」という緊急事態に。結局、団地に住んでいる人の部屋を急遽借りて、ギュンギュン詰めで実施した。本当に「いろいろな人に支えられて仕事ができているんだぁ」と、実感。

 教室に参加してくれる住民同士が次第に仲良くなっていく。「同じ団地に住む人」から、「○○さん」になっていく。お互いに声を掛け合ったり、お茶を飲んだりしているようだ。こういう機会を待っていた人たちもいるのだ。

 同時に、秋まつりの開催に向けて準備を始める。中心になってくれるように呼びかけたのは、豊成団地に住む小学校PTAのお母さんたち。実に有能な働きぶりで、餅つきと「豊成のサスケはだれだ!?」など公園を利用したスポーツイベントを企画、実施した。
 他にフリーマーケット、近所のパン屋さんの出店、バザー、太極拳、学童保育所の伝承遊びなど。大人から子どもまで楽しめる催しを考えた。
 もう一つの目玉が、防災教室の一貫で、災害時にかまどになる公園のベンチを利用した「炊き出し訓練」。こちらはNPOレスキューストックヤードに協力してもらった。
 予想以上にたくさんの住民の方が参加してくれ、秋まつりは大成功!「こんなこと、豊成団地始まって以来。」「楽しかったよー。」と、喜んでもらえたのが嬉しい。近隣の町内会や小学校、学童、商店の方たちなどが快く協力しくださり、つながりができたのも大きな収穫だ。
 これらの力を結集していく、次なるキーワードは「花壇」。花壇をつくり維持管理することを通して、地道にコミュニティの形成をめざす。すでに小学生が植えた花壇の植替え、そして作り直し、ぼうけん公園の花壇づくりを実施した。きれいな花壇があるだけで、そこは道行く人たちの交流の場になるのだ。
 さらに花壇を通した住民と保育園との交流、そして団地内にあるデイサービスセンターとの交流も計画している。

 防災教室の終了後、住民有志による「豊成の防災を考える会」が生まれた。すぐに自治会をつくるのは難しいが、地道な活動をしながら会員を増やし、何か起った時に助け合える団地にしていこうと頑張っている。なかには、区役所から配布物を頼まれる会員も出てきた。仲間に声をかけ、手分けして配っている。
 花壇づくりのメンバーとも重なっているこの会は、この秋、「防災」をテーマに自分たちで秋祭りを開催しようと企画中だ。

(赤澤)

Topへ
Copy Right (C) 2005 Editorial&Planning Office GUN Co,Ltd. All Right Rserved.
このウェブサイトの内容を転載、複製はできません。