5年前の秋、新聞の夕刊で市民が立ち上げるボランティア情報誌の記事を見つけた。数人が手探りで作り始めていて、一緒に作るボランティアを募集していた。なんだか面白そう!と飛びついた。家には買ったばかりのぴかぴかのパソコンもあって、秋の夜長で、あの頃は少しエネルギーも余っていたっけ。
NPOボラみみより情報局が発行する「ボラみみ」は、ボランティアをしたい人とボランティアを必要とする人・団体をつなぐ情報誌として毎月1回発行、愛知県内の公共施設、学校、スーパーなど約600箇所に無料配布している。ボランティアの裾野の広がりを願って、創刊から5年、この9月で63号になった。今では70名近い大所帯のNPOになった。
「ボラみみを見てボランティアを始めた」という声はメンバーにとってなによりの励みだ。そんな行動するきっかけを提供できる情報誌でありたい。さまざまなNPOやボランティア活動の背景には、社会の問題や課題が存在している。そこに気づくきっかけも提供していきたい。
7月に、以前取材した「オレンジの会」からメールが届いた。この会は、今全国で100万人とも言われているひきこもりや不登校の若者の支援に取り組んでいる。ひきこもりが社会問題として語られるようになってきたここ数年、全国的にも支援団体が増えている。
オレンジの会の活動の柱に、就労支援がある。届いたメールは、「厚生労働省からニートやひきこもりの若者たちを対象に就労訓練事業を委託され、企業・団体で職場体験の受入先を探していて、ボラみみでも受け入れてもらえないか」という依頼。ぜひどうぞということで、ここ2ヵ月、会から数人の若者たちがボラみみの校正や発送作業に参加している。ささやかではあるけれど、彼らがもう一度社会に踏み出すきっかけの場になったらうれしい。
(浦沢)
☆ボラみみのHPはこちら→http://www.boramimi.com
 |