ユーミンのユーミン化
ライブの終盤、そろそろくるぞ〜、と覚悟して待つファンの前に、「どうよ!」と言わんばかりに、ワンショルダーのセクシーなミニドレスで、ステージに躍り出るユーミン。華奢ではない、鍛えられたしなやかなボディを確認した私たちは、「お見事!!あなたはちっとも変わってないわ・・・」と、感嘆とともに、深く深く、胸をなでおろすのだ。うむを言わせぬカッコよさは50半ばの今も健在、年を重ねるほどにそれはパワーアップしてファンの目に映る。ユーミンはますますユーミンになっていくのだ!4年半ぶりのホールコンサートで名古屋センチュリーホールへ。
この春、3年ぶりのアルバム発売にあたって、いろいろなメディアで今までになく精力的に宣伝活動をしたというユーミン。「曲づくりりの苦労って今まであまり話したことなかったけど・・・。ほら、私って天才!っていうイメージでしょ(笑)。でも、産みの苦しみはすごくて、曲よりも歌詞、これはもう二度と歌なんかつくれないと思うほどまで追いつめられる。でも、ああ、もうこの言葉しかない!というものが見つかったときの喜び、これがあるからやめられない」とMCで語っていた。
10代の頃から口ずさんできたユーミンの歌。情景描写豊かな世界は、今も私の心をふるわせてくれる。あの季節のあの時間の、色や風や情感は、何十年経ってもそれほど変わらない。手紙やすれちがいの少なくなった今、時の流れや心のありようはどうだろう。微妙に変化する今という時代の水を注ぎながら、普遍性をたたえてきらめくその世界は、自分をとことん追い込む、そのパワーから紡ぎだされているのだ。
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