今年のゴールデンウィークは節約的かつ有意義に過ごした。参加している「NPO平和のための戦争メモリアルセンター建設準備会」という長い名前のグループが、「平和のための戦争資料館展」という展覧会を開き、そのお当番としてほぼ毎日、会場に通っていたからだ。
例年のように家族でどこへ行こうとアレコレ悩むこともなく、子どもは親しくしている友達の家族旅行に便乗させてもらうことにした。親より友達と一緒の方が楽しい年頃になった娘からのクレームも、特にな
し。
家から地下鉄で2駅の市民ギャラリー矢田へ、私はルンルン通っていた。なぜなら、休日の家事から開放されるうえ、会場は刺激に満ちていたから。
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デザイナーの城石里香さんと作ったチラシ |
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展覧会は、わがNPOが建設を呼びかけている戦争メモリアルセンターについて、「たとえば、こんな資料館はどう?」と、目に見える形で提案し、早期の建設を呼びかけると同時に、同志の輪も広げようというものだった。半年以上前からプロジェクトが始まって、私もお仲間に入れてもらったのだ。
といっても、当会において若輩者であるわたしは、企画制作段階ではほとんど使い物にならなかったと言える。申し訳なさもあり、会場設営や荷物運び、会場のお当番などの肉体労働に積極的に参加した、というのが本当のところだ。
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会場設営 |
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準備期間は勉強になったし、楽しかった。他都市の戦争資料館の見学にはじまり、展示内容をつめ、他団体に協力を要請し、パネルを製作し・・・といった一連の過程で、先輩方は幅広い知識と豊富な人脈、経験を生かしながら、テキパキと作業をこなしていった。
意見を戦わせ、分担し、協力し、一つの目的に向けて動いていく様子は、まるで巨大な一枚のタペストリーを大勢でガーッと編み上げていくような感じ。わたしはただ、目を見張るばかり。その総指揮官は、敬愛する野間美喜子事務局長だ。
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第一展示室は「戦争の実態に関する展示」 |
名古屋や周辺都市の空襲の様子 |
途中、多くの協力者も現れた。会場のデザイン、パネル制作、会場設営に大きな力を発揮してくれたのは、県芸大生のみなさん。先生に照明の調節もしてもらって、おかげで、素人の展覧会とは思えないほど素敵なものになった。そして、岡崎市や春日井市などの空襲を記録する会の方々。また、関係の方々のおかげで、特別展「今イラクで何が起きているのか」のコーナーもできた。
会合を重ねるたびに協力者が増えていくのも、大きな驚きだった。
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展示品は県の収集品や市博物館等から借り出した。 |
旭幼稚園から、当時の園児が描いた絵も借りて展示。 |
4月27日から5月8日まで、休館日を除いて11日間で来場者は2,458人。場所柄、わざわざこの展覧会のために出かけて来てくれた人たちだと思う。これは新聞やテレビで取り上げてくれたおかげだ。NHKは入念な取材をしていったにもかかわらず、ラジオ放送だけだったらしいが。
会場に来てくださる人たちの様子を見ているだけで、いろいろ考えさせられた。 (つづく) (赤澤)
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