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うれしいできごと

うれしいできごと

 まだ寒い2月はじめのとある日、事務所にかかってきた1本の電話。

「豊橋ベンチャークラブという働く女性の社会奉仕団体ですが、そちらで出版された『おじいちゃん、戦争の話を聞かせてください』のことで・・・・・・」

 電話口の女性は、クラブのメンバーの猪股ソノ子さん。用件をうかがうと、豊橋ベンチャークラブでは、2004年から毎年、バザーの収益金で三河地域の小学校や図書館に1冊の本を寄贈する活動を続けているとのこと。今年は何の本にしようかと探していたところ、豊橋市の精文館書店で『おじいちゃん、戦争の話を聞かせてください』を見つけ、これいいな!と思ったという。ぜひこの本をと考えているので、正式に決まったら注文をしたいと、うれしいお話をいただいた。

 そして、春の足音が近づく3月のとある日、注文のご連絡をいただいた後日、猪股さんが事務所を訪ねてきてくれた。新幹線に乗って、豊橋のおみやげを持って。

 今年は、豊橋市・豊川市・新城市・蒲郡市・田原市内の小学校、特別支援学校、図書館合わせて135カ所に寄贈されるとのこと。図書については、どんな本なら子どもたちが手に取ってくれるだろう、小学生にふさわしい本は?お母さんが子どもに読んでほしい本などなど、いろいろな視点で検討されるとのこと。毎回、とても心を砕いて本を選ばれている様子が伝わってきて、あらためて今年の1冊に選んでいただいたことに、胸が熱くなった。

 「本の後半に戦争の歴史が書かれていて、私も知らないことがいっぱいあって、とても勉強になりました。親子で読んでも、とてもいいと思ったんです」と猪股さん。この本は、前半は著書の湧太郎くんが夏休みの自由研究として、おじいちゃんから戦争の話を聞き取ってまとめたアルバム、後半はおじいちゃんが兵隊だった時代背景の解説という二部構成になっている。「図書館での読み聞かせにもいいと思いますよ!」と猪股さん。(そう、今年は1館でも多くの図書館の本棚に置いてもらえるよう、地道に営業、がんばらなくては!!)

 学校の図書室で、まちの図書館で、一人でも多くの子がこの本と出会ってくれますように。戦争と平和を考える、はじめの一歩の手助けになることを願って。(浦沢)

おじいちゃんの本画像