点訳に感動。
「知り合いの点訳ボランティアの方が、湧太郎くんの本の一部を点訳して会員に配布する『お知らせ』に載せたいと言っているのだけれど、いいでしょうか?」と、市古さんからお電話をいただいたのは8月20日ごろのこと。
「湧太郎くんの本」というのは、8月1日に出版した『おじいちゃん、戦争の話を聞かせてください。 五年一組 八木 湧太郎』。市古さんは、その本に絵を提供していただいた市古粛亮さんの娘さんです。
八木さんに確認すると、もちろん異論があるはずはなく、「よろしくお願いします!」とお返事をしました。そして先日、点訳したものを送っていただいたのです。
こちらが点訳版です。
そして、こちらが文字版。
一部どころか、前半部分をすべて点訳していただいています。正直、こんなに立派なものとは思っていなかったので驚きました。そして、点字を指でたどりながらじっくり見せていただいているうちに、感動で胸がいっぱいに。
「いい本だ」と言ってくださる方がいて、たくさんの方に読んでもらいたいと思ってくださって、点訳までしてくださるとは。そして、点字で読んでくださる方がいるかもしれない。なんて幸せなんだろう…。
点訳サークルは豊田市の 点訳サークルT&T です。担当の佐野さんにお話をお聞きすると、点訳は20年ほど前からパソコンでできるようになり、点字プリントでの出力やメールでデータの送信もできます。当初は高価で、しかもそれぞれの会で購入しなければならなかった点字プリンターも、今はリースで公共施設などに置いてくれるようになって、ずいぶん楽になったということです。点字の音声読み上げもかなり普及してきているとか。
佐野さんたちのようなボランティアの活躍で、たくさんの文字が点字に置きかえられ、それらが集積して、一つの知の世界をつくり出しているのですね。それに気づかせてもらって、私はまた感動したのでした。
『おじいちゃん・・・』の後半部分も、現在、点訳してくださっているそうです。 (赤澤)